「仕事ってなんだろう」と言われたとき、どのように答えますか?
生きていくためにお金を稼がないといけないから/仕事が好きだから/活字媒体が好きだから/美味しいものを食べ歩きたい、などなど人それぞれです。
お金をもらって働くかぎり、与えられた仕事を100%あるいはそれ以上をクリアしながらポジティブに実践していく。
これが、当たり前でありそれ以下はあり得ないでしょう。
とはいっても、このような思いで働くことは難しいことではありません。
とにかく、お客さまのために仕事をすることが一番です。
働いてお金をいただくかぎりにおいて、自分以外の人のために、仕事を通して誠心誠意努力しなければいけないのは、地球に生まれてきたかぎり当然のことです。
本の制作に限らず、どのような仕事でもお客さまがいないと成立しません。
詐欺師だったら騙す相手がお客様です。
役所でしたら国民がお客様。出版社・制作会社は読者が最大のお客様。
そして、私たちのような編集プロダクション・編プロは、出版社と読者、デザイナー、イラストレーター、ライター等の制作者もお客様になります。
多くのお客様に満足していただければ、仕事はうまくいっているといっていいでしょう。
しかし、最近は、自分の組織や個人の利益だけを考えた結果、社会問題にもなっている事柄が続出しています。
新聞の社会面を賑わす事件の共通点は、自分の事しか考えずにやってきたことの結果ではないでしょうか。
いわゆる、自分以外の人に対して基本的に「思いやり」「優しさ」「気配り」がなかったためです。
私が仕事をするうえで大切にしていることは、この「思いやり」「優しさ」「気配り」です。
この3つがあれば、謙虚にもなれるし、素直にもなれます。
さらに、同じように大切なことは、人を「恨まない」「嫉まない」ことです。
もっとも、これも「思いやり」「優しさ」「気配り」があれば生まれない感情かもしれません。
こういうことを言うとかなり宗教じみた感じになりますが、私自身は無宗教でむしろ宗教は好きではありません。なにからこのような考え方を勉強したかといいますと、制作した本や著者などの関連で様々な事を勉強させてもらっています。
このような基本的な考え方で、当社では人を育てることを第一義にしています。
編集でもデザイナーでも、まずはマナーがとても大切です。
マナーというのは、人間関係の潤滑油になりますから、疎かにしていると歯車が回らなくなります。
マナーには、言葉遣い、立ち居振る舞い、自分以外の人に対する行動があります。
当社では、このようなマナーをしっかり身につけてもらうために、比較的きっちりと指導します。
それは、一人でも多くの人が一人前になれば、なんらかの形で社会に還元でき、社会自体もとげとげしくならずにすむと思っているからです。
ただし、どのような人でも育てることができるかというと、そうではありません。
人を育てる場合、上記の基本的な思いを理解している人でないと、きちんと仕事は覚えられないし、教えることも難しいでしょう。このような人はどこの会社にいっても何らかの問題がでてくるでしょう。
とにかく、年上であろうが年下であろうが、相手を敬うことも大切です。
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